ケアマネージャーの独立性
介護支援専門員、つまりケアマネージャーは、介護保険制度のキーマンとしてケアプランを作成するのが主な業務だ。多くの種類の介護サービスが提供されているのだが、そのどれを利用するのがいいのか、何がその人のためになるのかを、高齢者ひとりひとりにあわせて、最適のプランを立案し、必要なサービスの提供を選ぶ・・・というのは、ケアマネージャーの本来の有り方だ。
漫画の話だが
さて、漫画の話だが、くさか里樹のヘルプマンの6巻では、ケアマネージャー事業者と、介護サービス事業者の癒着、利益誘導の話が扱われている。表向き、書類上は、独立したケアマネージャー事業所として別の会社にしてあるが、資本、経営は同じ母体。
実質的には、自由なサービスの選択などなく総合介護サービス業の営業所として運営されるケアマネージャー事業所だ。
そんなケアマネージャ事業所に就職したケアマネージャーが、ひとりひとりに合わせたケアプランを立案することで、様々な軋轢にぶつかる。介護保険の限度ギリギリまでサービスをしようしてもらわないと、経営が成り立たないという。そのため利用することが、けして高齢者のためにならないようなサービスの提供までも命じられる。
反抗するケアマネージャーには、ボーナスという飴が示され、さらには、給料の減額という鞭も振るわれる。次は解雇だ。
「オレは会社から給料をもらっているわけじゃない」
「ケアマネ報酬は介護保険料から支払われている」
「誰のためにはたらけばいいのか、答えはたったひとつだ」
一方、上司や管理者の理屈も理解できてしまう自分がいる。
「自分が食えなくて奉仕ができるか」
「福祉を事業化して何が悪い」
「お金儲けがしたいわけじゃない」
介護サービス提供者の不正の例も描かれる。すべてのサービス提供者が不正を行っているわけではないだろうが、認定を取消されている事業者がある(あるいはその前に倒産させる)があるのだから、漫画、フィクションとはいえ、皆無ではないのだろう。
自分の親や家族を、あるいは、少し未来の自分自身が、介護保険を利用する可能性はみんなが持っている。読んでおいて損はないと思う。
購入に関する情報
ケアマネージャーの奮闘をえがく、ヘルプマン介護支援専門員編は、5、6、7巻と続いている。6巻だけだと何とも中途半端な印象となるだろう。この3冊はまとめて購入しておいたほうがいいと思う。
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