加齢と共に意欲低下が顕著に
仕事柄多くの高齢者の方と接しているうちに、とある共通点を発見しました。それは、年を取れば取るほど外出の機会が減って引きこもりがちになるという点です。実際に色々と話を聞いてみると、仕事を定年退職してから10年程は、地域活動や趣味活動にとアクティブに活動する方が多いのですが、加齢と共に意欲低下が顕著になってきます。70代以降になってくると、自分自身の体調不良、妻や夫の介護、友人の死去などが続き、外出したり、何かに挑戦したりしようとする意欲が削がれてしまうようなんですね。外出の機会が減ると、会話や身体を動かすことが極端に少なくなります。そういった生活が続くと認知症や寝たきりになるリスクも高くなります。
日常生活で身体を動かす
高齢者の方は日常生活で身体を動かすことが非常に大切です。それは、筋力低下が低下しやすいから。数日動かないだけで、すぐに歩けなくなってしまう事が多いからです。足腰などに痛みがあっても、疲れやすくて動くのが大変でも、身体を動かさなければ、すぐに寝たきりコースです。何でもしてあげるのが介護ではありません。出来る所は時間が多少かかっても自分でやってもらう、じっくり見守ることも介護では大切なんですね。
元気なうちから様々なネットワークづくりを
話を戻しますが、高齢者の外出と健康維持には深い関係性がある事が分かりましたね。引きこもりを防ぐためには、元気なうちから様々なネットワークづくりをしておくことが大切です。家族や親戚との付き合い、同級生との付き合い、地域の人との付き合い、デイサービスでのお付き合い、色々な人たちと交流しパイプを作ることがとても大切なんです。外に出るのが何となく億劫だなと感じている時でも誘ってくれる人がいる、心配して様子を見に来てくれる人がいる、そういう人との繋がりがひきこもりを予防してくれます。最近外出していないなという高齢者の皆さん、近所の公園まで散歩でも結構です。1日に1回は外の空気を吸う習慣を身に着けてみませんか?