人材不足が深刻な問題
介護の人材不足が深刻な問題になっていますね。実際どこの施設でもスタッフが不足しており、サービス提供に大きな影響を与えています。今でも大変な状態なのに5年後、10年後の試算数字を新聞で見た時には、何だか逃げ出したい気持ちになり、一瞬転職を考えてしまいました。それくらい介護の業界には人が集まりません。
専門職なのに
なぜ介護業界に人が集まらないのでしょうか。やはり一番の理由は待遇面だと私は思います。介護の仕事は誰でも出来るとおっしゃる方がいますが、それには反論を申し上げたいと思います。確かにおむつ交換、入浴介助、体位変換などは数回行えば誰もができる仕事です。しかし、プロと素人がやる仕事は全く別物、ただやるだけなら誰でもできます。テキパキ介助をしながら利用者さんと笑い話をする、いつものやりとりから身体状況や精神状況の変化を感じ取る、何気ない会話から心配事や困りごとなどのニーズを引き出すなど細やかな気配り、気持ちを読み取る能力などの高いコミュニケーション能力が求められる仕事です。人の命を預かる責任のある仕事です。緊急時には1人で救急車の対応や人工呼吸などの対応を迫られる時だってあります。でもお給料を時給換算するとファースフフードやコンビニのアルバイトと同じか、それよりも安い所が多い。資格を取得して業務に当たっている専門職なのになぜでしょう
介護職員処遇改善加算
数年前から介護職員処遇改善加算といって、職員の賃金改善をするための料金をサービス利用者から頂ける制度ができました。しかし、介護報酬が2.27%も下げられ運営の危機に瀕している事業所があるなか、本当に介護職の賃金アップができるのだろうかと疑問に思うところです。介護保険制度の枠組みの中でしか売上を創出できず、3年に1度の法改正によって今後の運営が左右されるようでは、安定した雇用は生み出せないと感じています。いずれにしても将来に向けて介護スタッフを確保するためには、介護保険制度の抜本的な改革と介護スタッフの労働環境の改善が必要でしょう。