シルバーライフ まっぷ

那須の田舎暮らし物件を購入

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最初の値段交渉

ようやくみつけた「構造だけはしっかりしている」に見合う物件。
土地は200坪あった。このあたりの別荘地の通常の販売価格は、坪5万程度だ。つまり土地だけでも1000万だ。しかしかなりひどい傾斜地で、平地はない。200坪あっても、そのまま畑など作れる状態じゃない。鉄骨で基礎をかさ上げしている状態だ。これは冬は寒いのだが、湿気対策にもなる。また敷地の中に小さな川がある。湿気はかなりきていて、基礎をあげていても、中は、カビだらけだった。
結局、560万というのは、当時の中古別荘のマーケットとしては、かなり強気すぎる値付けだと思った。
「どうでしょう・・。」という不動産屋さんに対して、「希望通り構造はしっかりしていますね。手を入れていけば、十分住めるようには、できそうですね。でもちょっと高いなぁ。300万なら即金で買います。」と提示したw 勿論、そのまま素直にそうなるとは思ってない。そういって、東京に戻った。
さて、その後、希望金額を売主に持っていったところ 350万という回答だったと東京に連絡があった。おぉ! すごい。かなり優秀な不動産屋さんだな・・・。
実際、かなり売りにくい物件だとは思う。別荘によくみられる遊び、楽しさがまったくない物件なのだ。これを見て、将来の楽しい生活をイメージできる人は少数だと思う。実際、家内などはゲンナリしていたようだw

また定年後、田舎暮らしで畑をやろうとか思っていても、傾斜地だとそのイメージができないだろう。土止めも含めてやっていけば、傾斜地でも畑はできるのだが、なかなか苦労が多くて、平地を選びたくなるだろう。でも俺は予算優先なのだw 金がないなら汗を流せw 汗で実現できるなら、やるw

350万の提示に

350万までの値引きに即答は避けた。「かなりがんばって下さいましたねぇ。また近いうちに那須に行きますから、その時に見せてもらって、考えます。」
他の280万とかの他の物件だと、トイレが簡易水洗で、本当の水洗でない場合もあった。以前検討したログハウスはトイレそのものも存在しなかった。家内が水洗トイレだけは何とかしてくれと、他のボロ物件でも繰り返し言っていた。水洗トイレができるまでは、わたしゃ泊まらない、と。
ところがこれには、使えるかどうかはわからないが、水洗トイレがついていたのだ。トイレの便器とかタンクは大きな問題じゃない。問題は浄化槽なのだ。これを業者に頼んで新設すると100万近くかかってしまう。法律上設置には資格が必要なので、DIYじゃできないのだ。中の状態、コンディションはともかく浄化槽が存在する。おそらくエアーポンプを交換して、メンテしてもらえば使えるだろう。お買い得感はかなりある。
風呂も素っ気ないながら昔のユニットバスもある。給湯のボイラーは使い物にならないだろうが、逆に言えばボイラーの設置だけだ。ログハウスの検討の時は、自分でユニットバスを買って組み立てようかと思っていたくらいなのだ。もし問題があっても、直せばいい。ログハウスの時は、当分風呂は近所の温泉にでもいくことで切り抜けようとしていたのだが、家で入れるのはかなりポイントが高い。
築年数が古く、現在の所有者が、建築したオーナ―本人でないのも大きな要素だろう。愛着とか、物件に対する思い入れがないのだ。あれば、ここまでボロボロになっていない。相続して、使わないで、管理費と固定資産税を払い続けているとなると、それなりにお荷物でもあるだろう。
だが、まだOKは出さない。560万ということで、見送りかなぁとも思っていたが、350万となるとかなり現実になってきた、ここは、やはりもう一度自分の目で確認してから決心したい。

事前に調べて

しばらく忙しい日が続いた。なかなか那須には行けない。仮押さえや手付などはしていない。不動産屋さんのWEBを見ると、お目当ての物件が掲載されている。写真や図面もある。勿論、前回もらってきた図面もある、何度も何度も見返し、こう直そうか、ここは、どうなっていただろうか、ここは大丈夫だっただろうかと考え、次に見に行く時に、チェックしたいところを整理していた。
お金のシミュレーションもやった。購入する時だけのことではなく、維持にかかる費用も含めてだ。週末利用の期間、そして60歳定年後、シルバーライフで定住する時の生活費も含めて、再計算をした。それなりの精度で計算ができていたが、唯一間違えたのは、不動産所得税だ。固定資産税は、不動産屋で昨年の数字を教えてもらっていたのでその数字でやったが、不動産(土地)としての評価額が予想以上に高かったので、所得税は予想を上回った。
2,3度那須に行く機会があったのだが、その不動産屋には行かなかった。他の不動産屋さんの物件をみて比較した。今回の目的の物件の場所に行って、不動産屋さんをヌキにして、周囲の環境なども確認した。季節を変えて見るのも重要だと思う。周りを歩いてみた。やはり悪くない。これはもう決めるとするか。
そのうち、WEBの物件の値段が変更された。560万が350万に値下げ!と表示されていた。手付も仮押さえもしていないわけで当然のことだ。560万なら売れないだろうが、350万なら売れてしまうかもなぁ。

再度見に行く

不動産屋さんに電話して、「いついつ行くから、もう一度案内してもらいたい」と告げる。他に話が出ていないかどうかも確認。今のところ商談はなしだった。
一泊の予定で那須に向かい、まずは不動産屋さんに顔をだし、案内をしてもらう。その会社は別荘の保守、修繕などもやっているようで、営業だけはなく、その部門の人も同席してくれた。最初に見た時に営業さんでは答えることができなかったことが多かったのだ。今回は、自分で気になる部分を指摘し、どう直せばいいか、どこまで深刻かを相談できた。直すための概算の部材の値段も、その場で確認できた。
畳をはがしてみたのもこの時だ。傾斜地で基礎をかなり高く上げているので、床が抜けるのが怖かったのだが、畳の下は、構造の鉄骨にわたしたコンクリートパネルだった。これなら抜けることはない。一方、床下は、湿気で木部はボロボロで、その中に納まっているはずの断熱材も無残に垂れ下がっている。しかしこれなら、足場を組んで自分で直せそうだ。方法はまた後で考えればいい。
外壁は、コケだらけでドロドロ。しかし高圧洗浄機で洗えばキレイにできるでしょうと教えてもらった。そうか高圧洗浄機か。おれはホ-スとタワシでやるつもりだったw その後、好きな色を塗るなりすれば見違えるでしょう。修繕の社員さんは、下手な営業よりも、よっぽど生活のイメージが湧くように話してくれた。
屋根にも上がった。積もった落ち葉がドロに変わっているほど放置され続けていたが、破損している箇所はない。止めているビスの部分の防水がどれだけ持つだろうかと思ったが、コーキング程度なら何とかできるだろう。勿論、水が出ること、電気が付くことを確認した。
家内もそういったヤリトリで、なんだか住める家にできるらしいと信じてくれるようになったw 俺だけができると言っても信じきれなかったが、プロとの話をして、方法が具体的になっているのをわからないながらも聞いて、ほんとうに住めるようにできるのだと思えたらしい。
いいかな、これで。その場で「もし購入するとすれば」と、諸条件の確認を開始する。前オーナーの荷物類の中で、残してほしいものだけを、その場で指定した。また引き渡し前にやっておいて欲しいことなども確認した。

最後の値段の交渉

不動産屋さんの事務所に戻り、最後の交渉と打ち合わせだ。
物件の販売契約の前に、やって欲しいこと、見積もりを頼んだ。畳の交換、灯油式ボイラーの設置などだ。鍵の本数を確認し、不足していたので、引き渡しまでに作成して欲しい合いかぎの数を次げた。勿論これらは別料金と考えている旨も申し上げた。
瑕疵担保の範囲も条件をこちらから提示した。築年数を考えれば、雨漏りなどには文句は言うつもりはないし、現状、あるがままが原則だと思う。それでも、生命安全に関わる点として電気が漏電しないことだけを最低条件にした。テスターを使えばすぐのことだ。あえて自分から、「他には何も文句言いませんよ、あるがままだとわかってますよ」と言ったのは、不動産屋さんに安心してもらうためでもある。中古なんだから普通はしょうがないだろうと思うようなクレームをつける購入者もけっこういるようなのだ。細々したことをしっかり詰めて、さて・・・と。
「・・・で、この350万。いくらになります? もうWEBで350万で出しているんですから、売主さんも350万そのままとは思ってないですよね。ここまでやってもらっているんで、いくらとはいいませんので、ここはパーンと最後の一声を。」
「300万は無理でしょうけど・・・330万で売主さんに話をしてみましょうか。」
その日はそこまで。那須のいつも行くお店をのぞいてから、宿泊場所にチェックイン。
翌日、売主さんと330万で決着した旨の連絡が不動産屋さんからあった。じゃあコンビニでもよって、手付金を持っていく旨を告げ、それまでに手数料や諸費用の再計算、書類関係の準備をお願いした。

俺は、不動産売買契約は、売主としては3回、買主としては今回の契約が4回目になるw細かいところまでしっかり読むし、こちらの依頼が盛り込まれていない点は指摘する。今回は不動産売買契約と重要事項の案の確認。指摘事項を特約に盛り込んだ契約は、引き渡しの時でもいいだろうと、購入申し込みと、申し込み金の支払いだけを行った。引き渡し日を決定し、その日にボイラー設置、畳表の交換なども一気に行う。壁はどろどろのままだが、しょうがない。
書類関係が終わった最後に、「これ使いますか」という。
なんでも他の現場で余った畳だそうだ。サイズはバラバラなのだが6枚ある。あぁ、使える使える。ありがたくいただくことにした。まあ普通は、こんなもの欲しがらないよなw購入に関し、その日やるべきことはやった。後は引き渡し日を待つのみである。